041 私と専門看護師のコンピテンシー
- 2019.07.17
- 看護
フラクタルの心の機微に疎い担当、のぞみです。
はぁ……(うなだれて顔を覆いながら)
オタクのわりにオタク用語に疎いんですけど、こーゆーの推しが尊い、とおんなじ気持ちなんじゃないかと考えている。
推しが尊い、言葉でなにか伝えるのを放棄してるから 、『はぁっ……』のアクションに到達するのかと思いきやぐるぐる頭の中で色々言葉は回っているものの自分の語彙、言葉ではこの素晴らしさ、凄さ、輝かしさ、重大さ、ファビュラスさは伝えきれないという完全降伏の姿勢だと理解した。
ってことで、『はぁっ……(みんな……読んでくれ……)』で本当は終わらせたいんですけど、今後!エモ読書感想文書きを名乗りたい人間としてはアカンと判断するので書きます。
ところでみんなコンピテンシー、って言われてなんのことだかピンと来る?
あ、知ってるひとは読み飛ばしてください。くだらないはなしします。
わたしはコンピテンシーって少し前に初めて聞いた言葉で、タイミング悪かったら知らなかったかもしれない。
仲の良い病棟の先輩(通称:いつものパイセン)が面談の時期でもないのに師長に呼び出されて『コンピテンシーモデルって知ってる?』『○○さんには少しずつ勉強していってもらいたいんだけど』って言われたってはなしを聞いて、いやパイセンそれ主任昇格への布石www昇進オメwwwみたいなことを言ってたときに聞いたのがはじめ。
(※なおパイセンは来年の3月で辞めます)
調べたら、成果への行動特性って書いてあった。
うーん、当院の主任と言えば不動如山(動かざること山の如し)で有名……行動特性って言っても……。ってパイセンと話してたんですよね。
だからコンピテンシーってどうもピンときてなかった。あと専門看護師もね。
(恐らく)なるわけじゃないしね。と思ってたら、こちらの本を編集をされた村上靖彦先生が医療ノンフィクションです、って仰ってたので、 あ、じゃあ、読めるかもと思った。
これは確かTwitterにも書いたのですが、そもそも今まで読んでた看護師向けのテキストって言うのは、じゃあ心筋梗塞です。病態はこうです。だから症状はこう、検査はこう、患者さんはここに注意して観察します、って。PCPSです。仕組みはこうです。患者さんの観察はここに注意して観ます。って書いてある。
もうちょい踏み込むと、例えば致死的な疾患です。本人・家族に精神的な支援が必要です。って書いてある。
わかるわかる。そうだよね。
じゃあ具体的に、こうだから、こう考えて、どんな距離感で、どんな声かけを、って言うのは書いてない。
この本には、専門看護師のかたがなにをどう考えて、こうやって声をかけて、こんな反応が返ってきて、それに対してこう考えて、どうなった、って言うことがありありと書いてある。まずそれにすごく衝撃を受けた。(わたしがそーゆー本とたまたま出会ってないだけなのかもしれないけど)そんな本とこうやって出会えてすごく良かったと思った。
だって今までなんとなくでやってたもんね。自分で必死に考えたりも、もちろんしたけど。先輩がこうやって声かけてたな~って言うのをこっそり真似してみたり、それこそTwitterとかで見かけた方法を試してみたり。
私は正直言うとあんまり仕事、得意じゃないから。特に患者対応。ここで本人や家族と少し話が長引くと後々のタイムスケジュールに影響しちゃうな、って思って、腰を据えてひとりのひとと対話・会話することをあんまりしてこなかった。だから余計に衝撃を受けたのかもしれないけど。
一番始めに出てくるケース(二番目もなんだけどね!)は、急性・重症患者看護の専門看護師さんの、お看取りのシーン。
そう、今まさにわたしが自分の領域だと思ってる集中治療領域でのはなし。
下手なドラマよりも、その状況がありありと浮かぶ。
床はよくある白いリノリウムかな。あんまりきれいじゃない蛍光灯は端が少し黒ずんでいそう。きっとIC室のパイプ椅子は、座るとお尻が少し痛くなる。遠くでモニターのアラーム音や、シリンジポンプの音が聞こえて、看護師さんたちが慌ただしく動いてる気配がする。絶望的なシーン。中島みゆきとかかけたい。
たぶんわたしは、その場にいることすら出来ないと思う。忙しいし、重症の患者さんから目を離すことが怖い。そんなことを言い訳に、堪えられなくて逃げ出してしまう気がする。
そんなシーンで、専門看護師さんはなにを考えて、どんな対応をしたか。
さっきも書いた。なにをどう考えたから、こういうアクションに至った、って言うのが書いてあるんですけど、それだけでめちゃくちゃすごい本だと思ったんですけど、この本の『はあっ……ん(尊い)』ポイントは、その専門看護師さんが強く印象に残ってる事例を通してそのひとの思考が、わかる。インタビュワーの村上先生が、その専門看護師さんの言い回しとか、口癖を、すごく丁寧に、まるでホロスコープを読むみたいに分析している。
生まれたときから星回り、運命って決まってる(らしい)けど、周りの惑星の影響を受けたりとか、その瞬間瞬間に星の位置は変化していくから、アングル?って言うのかな。そういう観点を読む力が必要らしい。
たぶん専門看護師さん自身も気付いていなかったんじゃなかろうかと思った。読んでてそんな印象を受けたんだけど、見えない力の源、太い幹の部分を垣間見える、パワーとパッションに溢れた本だった。
あと事例の部分は単純にめちゃくちゃ泣ける。
(基本的にいつも泣いてる)