精神看護5月号を読んで、今回は「医療と福祉が出会ったな」と思いました。私、この「医療と福祉」ってもっと近づくべきだと、何年も提唱していますが、やはり根本的に違うものなのかなかなか歩み寄りをみせません。
私は精神科病院で働きながら、障害者就労支援事業所などを運営しているNPOの副理事もしています。そこで福祉を学んだりしているわけですが、福祉は本当に幅が広い。いや、ゴールが見えない感じです。私がよく説明で使うのは「医療は島で、それを取り囲む海が福祉」という言葉です。ある程度医療はできることが決まっています。それは診療報酬の関係であったりパスの関係であったりして。入院治療が終わると島からは出ていき、福祉という海原に出ていく。そんな感じも昔からもっています。
今回の精神看護5月号はまさにNPOの「さざなみ会」という法人にスポットを当て、精神障害がある人が働く就労支援事業所について書かれています。読めばわかるのですが、ここで書かれていることは、まさに「障害者就労支援事業所で働くこと」そのものです。それは職員の「精神障害だからという偏見をなくしたい」「お金にならない仕事が障がい者の仕事ではない」「1円でも多くの工賃を払いたい」という気持ちは、どの事業所でも考えているはず。私の就労支援事業所でも同じ考えです。
なんだろ、福祉の世界って医療よりも「相手のこと」を重視しますよね。僕はむしろそういうところが苦手でして(笑)いつも「なんでそこまで利用者のことで頭を悩ませるスタッフが多いんだろう」って思っています。これがやはり福祉の懐の深さといいますか、福祉での常識なんですよね。うちの事業所はどのスタッフも利用者のことを強く思うスタッフばかりでして、そのために大勢の人が苦手な利用者のために送迎時間をずらして、短時間でも利用できるような環境にし、他の利用者が事業所にいない時間だけ利用する人もいます。その人に取られるスタッフの数などを考えるとなんとも効率的ではありませんが、その利用者のために行っている事。それで利用者が満足されるならそれがベストなんですよね。
利用者のためといえば、昼食も苦労しました。最初、利用者が少ないときは近くにある弁当屋に注文を入れてました。しかし、人数が多いと食費もとんでもないことになるので、食堂と厨房を作りました。調理師さんもスタッフとして迎えました。このため寒い時期も温かいラーメンなどを利用者に提供できるようになりました。さらには利用者の生活、能力に合わせた事業を提供するために、就労継続支援B型の他に就労継続支援A型、就労移行支援、生活困窮者自立支援事業、シルバー人材活用事業も展開。さらにはグループホームの運営も行う予定です。これらすべてが「利用者の将来のため」なんですよね。年を取って働く場所はどうする?住む場所が無いと困るよね?など、もう「利用者の人生を丸抱え」する感じになってます(笑)
私は以前「こども食堂」の立ち上げにも関わりまして、やはりこちらも福祉分野。スタッフが一生懸命に働いて、どのような支援が適切かを議論に議論を重ねておりました。利用者数人のために全スタッフが関わって、食事を提供する感じで「1人の利用者のためにそこまでする?」と、ここでも思いましたが、今では市を代表する団体になってます。
さざなみ会が近隣の精神科病院と職員交流を行ったり、そこの患者さんの退院支援に会が関わったりととても素敵な活動だなと思いました。なんだろ、都会的な感じもしましたね。場所の話で、集まる場所が狭くなったらレストランを使えばいいという発想、よかったです。たしかにそうなんですよ。なんか「言い訳を探す」のが人間は得意なんですよ。「できない」と言ったほうが早いから。でも発想を変えればどんな問題も解決する。(あー、でもうちの事業所は近所にレストランないしなって思ってます(笑))あと、「お祭り」。いいですね。こういう「身内盛り上がり会」が大きなエネルギーとなって、お互いの力になる。うん、すごく人間同士の歯車がうまく噛み合ってる感じがしました。
今回の特集と自分の思いがとても合ったので、思わず感想を書きました。精神看護ってやはり、深い。福祉の特集をしても精神看護だし。本当に深い。
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