最期の瞬間

看護の話

私は看護師になって8年、そのうち6年が精神科です。

精神科も急性期やら慢性期などありまして、いろいろ経験しましが、いつもいつも印象的な出来事になるのが「死亡退院」。

fractaleではあまり看護の話はしたくないんだけど、まあ、自分の考えを出して、自分の中でも整理したいので。

 

精神科に長期で入院している患者さんは、ものすごく孤独です。身寄りがいない人が多い。それは、いろんなパターンがあって、病気を発症したら離婚されて子供を連れて逃げたとか、両親が「顔も見たくない」みたいな感じで見放したりとか、縁を切られたりとか。兄弟がいても音信不通とか。だからといって、入院させておく必要はないのですが、現状は難しい。

そもそも、みんながみんな病気で生まれたわけではなくて、どこかのタイミングで発症しています。あとは依存性的なものはある程度大人にならないと依存症はそもそもうまれません。

病気や依存によって家族が崩壊する。これ、本当に怖いこと。

そして、家族も最大限、いや、もう限界突破するまで悩み、対応し、疲弊しきって病院受診させ、入院に至る。近所に迷惑をかけたり、人に対して迷惑行為を働いたり、家の中で暴れたり。。。その都度家族は対応してきた。医療職であれば精神疾患だなと思うかもしれないけど、普通の家庭では正直そんなのわからない。そしてどう病院に相談していいかもわからない。これが現状だと思います。

こんなことだから、正直な気持ち、家族だって「顔も見たくない」と思ってしまうのは本音だと思っています。

そんな中、本当に印象的なのは「死亡退院」です。

DNARなどで延命処置を希望しない患者さんは精神科の病院で亡くなるわけですが、長期間に渡り入院していると、荷物は多くなるのは想像できますよね。院内での生活に必要なもの、院内で行われたイベントでもらった物、写真などなど。たくさんのものがあります。

これらのものをご家族の方に持ち帰ってもらったりするわけですが、「すべて捨ててください」と言われる方がすごく多いんです。

もちろん、たくさんの荷物を持ち帰る手段がなかったりもするわけで、その判断はありなのですが・・・

私の祖母は昨年亡くなりました。特養で最期を送ったのですが、すべて持ち帰りました。職員の方から頂いた色紙なども。そして自宅で整理しました。

同列に考えてはいけないとはわかっています。けど、本当、亡くなられた本人とさっと会って、荷物はなにひとつとして持ち帰らずの方、荷物を持って病棟を出るけど、病棟を出て退院手続きをしている間にゴミ箱にすべてを捨てる方など、いろんな家族がいます。

家族はその患者さんによって苦しめられたり、悩まされたんだから、何一つとして持ち帰りたくないし、何一つとして存在していたことを消したいのかもしれません。

ご家族の苦しみはわかります。

ですが、患者さんの生きてきた意味、生まれてきた意味ってなんなんだろうなといつも思います。

全く家族が面会に来ない患者さんが亡くなられたときも、ご家族は亡くなられた患者さんに会いに来ることもなく「荷物は郵送してください。ダンボール1つにまとめてください」なんて言われたこともありました。

逆に、本当に家族がすべてを持ち帰る場合もあります。

綺麗事では「患者さんの存在を否定するような事は許せない!!」となりますが、患者さん目線だけではなく、ご家族の気持ちを汲み取り対応するのも精神科看護の難しいところ。

精神科だけではなく、療養病棟はどこも同じような感じかもしれません。

本当に心の葛藤が常にあります、

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