過去を紐解く作業

看護の話

こんにちは。フラクタルの閉鎖病棟担当のmizuki@おぬです。

まあ、そんなこんなで精神科の病棟勤務はまもなく終わりになります。

 

ところで、精神科の治療、看護って想像つきますか?

 

そもそも病気ってなりたくてなるわけではないですよね。お金で買ったりできないし。

たとえば交通事故など不慮の事故で整形外科に入院したり、自分でつくろうと思っても作れない腫瘍なんかを摘出するために手術のための入院だったり。あとは、糖尿病などで内科的に入院したり。

整形外科とかだと、リハビリもしながら運動機能を改善していく。それってすごく目に見えて回復がわかる。外科も術後の創部の観察などをしつつ、疼痛コントロールも本人の痛みの度合いなどに応じて、そして時期によっていろいろ変わる。

内科的なのも、採血で出た結果から「悪い数値を叩く」。

どれも外見からわかったり、数値をみれば悪いか良いかわかったりしますよね。

 

しかし、精神科って違うんです。

もちろん精神興奮が著しい患者さんは「あ、精神科ですね」とわかるけど、別に採血しても「これは精神疾患だ」とわかる数値なんて無いし。

医師が診断をし、治療を開始する。これはどの領域も同じですが、精神科の場合は内科に近く本人に病識が無いことが多い。

なおさら、内科のように数値で出ないんだから「なんで入院させるんだよー!!」と思うのは当然だと思う。

 

入院後、普通に退院できれば問題ないのだけど、(これは難しい話だけど)長期に入院せざるを得ない患者さんもいる。

こういう患者さんのカルテはものすごく膨大。たぶん看護学生の時に思った人も多いと思うけど「え、情報収集どこからすればいいのよ」ってぐらい膨大。広辞苑ぐらいの厚さ何冊分もって人もいる。もうほとんどこの人の人生すべてがつまっている。このカルテをすべて読み返すのは不可能。けど、「この人がどのような人生を歩んできたか」がよくわかる。若い時に親に連れられてきた、駅前で大声をあげていて、警察に保護されたなど様々。本当に人の数だけエピソードがある。

「昔は毎日会社で働いて、出張も多かったんですよ」ってエピソードを知っているだけで、精神科看護師は「じゃあまじめだっただろうし、仕事のつらさもあったのかな」なんて思う。「え?仕事することなんて当たり前じゃないの??」と思われるかも知れないけど、病気を発症してからも働いてたと思うと、本人も大変だっただろうし、周囲も大変だったんだろうな〜と思うわけですよ。

精神科の看護師はとても視野が広い。相手のことを多方面で考える。

過去を紐解く作業は、精神科看護師の大切な仕事の一つです。

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